2014年09月23日(火)
九月 [高校演劇]
今日の一句
九月安田講堂工事中 浮浪雀
定年老後の楽しみは高校演劇と思っていた。
いろいろ所用があって行けなかったが、
今日はなんとか時間を作って行ってみた。
東京都は都立私立合わせて6つのブロックになっている。
そしてそのブロックを2つに分けるから全部で12ブロック
そこから代表?を選んで芸術劇場で中央大会がある。
それも2つの会場でやる。
私が馴染んだ頃からブロック数は2倍に増え、中央大会も2会場でやるということだ。この中央大会が面白いが、昨年の人気度を見ると、私のようなゾンビが一般人の席を奪ってはいけない。そう思って地区大会に行った。地区大会だから当然はずれがある。演劇は途中で抜け出す訳に行かないので,ツラいものにあたるとけっこうツラい。客も少ないので、参加校は他校の芝居を見る義務がある。
私が14年在職したSY校の芝居が今日の朝いちである。7時半に家を出て会場に行った。以前顔見知りの先生方が相変わらず休日を返上して指導運営にあたっておられた.私が会場に向かう階段を上って行くと、上から黒装束の一団が降りて来た。大名行列よろしく先頭にいたのは、私の天敵ヒゲの大先生である。相変わらず腹突き出して尊大反り身で歩いていた.後ろを女子高生の一群が続く。先生の学校は女子校なのだった。その女子生徒たちがすれ違う度にみな「こんにちは」「こんにちは」と挨拶するのだった。私もいちいち小声で(こんにちは)と返していた。そう教育されているのだろう。状況判断もせずに指導者の言うことだけを鵜呑みして相手のことを考えず自分の礼儀だけを押し付ける不逞の輩である。この人たちの芝居は大変完成度が高い。照明音響大道具、一分の隙もなく練習を重ねて緊張の上に緊張を重ねて上演する。舞台も大変きれいである。役者は滑舌よくセリフもよく通る。プログラムを見たら1998,2000と同じ演目をやっていた。十年一日のごとく同じ歌を歌っているのだ。私の方法論とは正反対のやりかたである。
10年ぶりに見るSY校の芝居は、ずいぶんとおとなしめでお行儀の良いものだった。セリフはよく通っているし、キャラは面白い.個性的とよく評されたものだが、その路線は相変わらずだった.技術力はないが、おしゃれハイセンスを目指しているところは変っていなかった。ラストのストップモーションで印象的なシーンを繰り出すあたり、かってのcheep deep darknessのオープニングではないか。生徒かと思った顧問が音響をやっていた。私がかかわったころの傍若無人無礼千万な態度はみられなかった。当時の顧問がいけなかったのだろう。受験情報をみると、私がいた頃と違って一応の進学校となっているらしい。★3つ。話は稚拙なものだったが、わかりやすい話だった。
高校演劇観賞はこれで十分だったが、もう一つ他校のものを見た。やたらと背景大道具を繰り出してテーマは重厚(井上ひさし原作)役者2名のうち女優が大変なうまさで長大なセリフ、方言、練習努力のあとが想像できる熱演だった。が、私にはまったくつまらなかった。★2つ。どこか方向を間違えてるだろ、と思われた。次は天敵の芝居で人気があるらしく場内が大変混雑してきたから見ずに外へ出た。
以前見知った先生方に黙礼したが相手は私とわからなかったようだった。これが少し意外だった。私はすでにゾンビ、相手には,見えないのだろう。そこはかとないやるせなさと幸せを感じた。人間相手の商売では自分の存在は相手次第である。相手に認められなければ自分は存在しないと同じなのだ。生徒あっての教員である。すでに教員でない私は相手に取って何者でもない。
明るいうちに帰宅して別邸物件業務をして安楽椅子で寝た。
今日の引用
"体育は嫌いだ。ランドセルが重い。"
今日のSY校のオープニングのセリフ。設定小学校5年生。なかなか上手いと思う。
Posted at 20時37分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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