2015年09月27日(日)
こおろぎ [日記]
今日の一句
こおろぎの鳴いて夜のお散歩 浮浪雀
ギルリリ帝国侵攻2日目
朝、一回り
過去問3年間の問題集をばらばらにして
出題17分野別に分けて分冊にする。
一冊だととて分量が多くてやる気が出ない。
分冊を少しずつ攻略する。
これは以前システムアドミニストレーターを受験したときのやり方だ。
その成功体験から同じ方法をとることになった。
試験のレベルも同じ程度だし、結局は暗記テストと言うところも同じだ。
問題集を少しやってみて、自分の誤答パターンがわかってきた。
1.問題文の前提をよく読まない。
2.自分の経験から答えると間違える。
3.適当にやると意外と当たる。
例を挙げる。
問題。「文部科学省の調査」による、全国でみた高等学校生徒の長期欠席と中途退学に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.平成21年度以降、長期欠席者の割合は急激に減りつつある。
2.不登校生徒には、病気で登校できない状況にある者を含んでいる。
3.不登校生徒のうち、中途退学者は10%以下である。
4.東日本大震災以降、中途退学者は急激に増えつつある。
5.中途退学者の40%は、学校生活・学業不適応を理由としている。
(注)「文部科学省の調査」とは、平成24年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(文部科学省)のことである。
私の解答は、2.正解は、5.
ところで私は高等学校の教員をやっていたので、この問題の直接の関係者である。平成21年度の調査なら、私が担当者としてこのアンケートに答えている。調査結果には私の提出した数字が含まれている。長期欠席と中途退学ならまかせなさい、という構えが間違いを生じる原因となった。
「病気で登校できない生徒」を現場判断ではどうするか、不登校の理由は項目に分かれていて、文科省の定義は「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」となっている。
こういうアンケートは4月の忙しい時期に来る。担当の私は、成績会議で発表された年間30日以上休んでいる生徒のいる担任宛に、文部科学省の分類が書かれている部分をコピーして、報告を求める。不登校の生徒は学校に来ないので何が原因で不登校になったかを本人に聞いてその返事を得ることは難しい。本人に聞いても何が原因で自分が学校へいけないのかが
よくわからない。文部科学省のいう分類に自分がどう当てはまるかがかわからない。担任は、保護者の話、クラスの生徒からの聞き取り、他の教員から得る情報などを総合して判断し、役所の分類に当てはめる。成績会議では当然のその旨を報告する。会議の記録にも記載する。私が間違えたのは「病気によるものを除く」という定義の部分である。骨折や事故入院の場合は判断がつく。問題は心理的理由である。それが病気かどうか判断するのは医者であるから、医者に診せないと病気で休んだことにはならない。すなわち、診察して病気の診断(特に精神の病気)がつく場合でも「病気であるとは言えない者」が不登校生徒に含まれている可能性がある。ここ数年話題となっている、ADHD、自閉症スペクトラム、学習障害、の診断を下すのは医者であって、教師ではない。これらの発達障害が不登校の原因と呼べることは少なくない。そんなことがすぐに思い浮かび(ついでに言えば、何人かの該当者の顔が浮かび)『不登校生徒には病気で登校できない状況にある者を含んでいる』は正しいのではないか、という判断になった。
では、正解の5番についてはどうか。退学の生徒の理由は指導要録に記入することになっている。一番多いのは「進路変更」である。これは該当生徒の退学後のことを考慮して、たとえ生徒指導上の問題で退学となった場合でも「処分退学:とすることはめったにない。生徒保護者を説得して、自主退学の形を取る。その理由が「進路変更:となるわけだ。公立学校の場合処分退学は教育庁に報告しなければならない。そうなると、学校長は教育庁から「処分」の措置が妥当かどうかの調査を受けることになる。学校に指導上の落ち度はなかったが、該当生徒の行為において、学校の規約に抵触したので退学とした、という学校の指導の正当性が問われることになる。これは避けたいので、処分退学となることはめったにない。そこで私の頭の中では「退学→進路変更」の現場の実態から反映した判断がただちについたわけだ。「文部科学省」の調査によれば、退学の理由は「学校生活・学業不適応」が最も多く、続いて進路変更、経済的理由、となっている。
つまり下手に関係して実態を知っているために、正しい答えが出せなかったということになる。私が解答の時に必要な心構えとは「世間ではなんと言っているか」を答える、と言うことにつきる。
小さな声で言うと「インチキな」世間では、と言いたいところだ。
そんなわけで、国家試験は世の中ではどういうことが正しいことと思われているか、ということを答えるのが正解と言うことになる。
まあ、一般常識の勉強をしてください、ということであろう。
夜の散歩
帝国の迫力は夜でも失われていなかった。
Posted at 21時19分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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