2015年08月04日(火)
灸花(やいとばな) [日記]
今日の一句
人間なんてララーラーララララー灸花 浮浪雀
アンプ作製をしたかったが、
電話かかってくるので、村上春樹
独立器官
シェエラザード
読むと自分のことを思い出して少し考える。
業務1
会議
ゾンビ肩車
ゾンビ戦い
今日の映画はドラえもん
ピクサーと比べると手抜き感は否めない。
送りについて行って
そのまま電車に乗ってしまった。
いつもと違った道で帰ればいいや。
途中駅で降りて
まずはアイスコーヒーだな、と思い
駅前のチェーン店に入る。
レジでアイスコーヒーを注文すると
感じのいい店員が私をじっと見る。
「先生、**です」と自己紹介する。
卒業生だった。
「ここは良く来るんですか」
「いや滅多に来ないけど」
名乗った名前は覚えているけど
その名前と八重歯の口元が一致しない。
誰だったか
確かに知っている顔だが。
「アイスコーヒー」と注文すると
「いまこれをお勧めしています」
とマニュアル通りの高いものを勧められる。
「じゃ、それください」
「*先生にあいました。うれしそうでした。やせてました」
「苦労しておられるからね」
*先生は私と同じ歳。私と2週間誕生日が違う。昭和のネタが良く通じるので、職員室の小部屋で昭和隠語の会話を楽しんだ仲である。その奥様ががんで亡くなった。あまりに急なことで先生は学校に来なくなった。そしてそのままやめてしまった。仕事ばかりして奥様の晩年に良くつきあえなかったことをいたく後悔されていたと聞く。職員室の机がそのままなので、私と同じ教科の先生で片付けた。その*先生がお元気だという。ともかく良かったではないか。
銅のカップに入ったアイスコーヒーを受け取って喫煙室に向かう。
誰だかまだわからない。
確か名門女子大の英文科に入学したんじゃなかったか。
こんなところでいきなり遭遇すると思わなかった。
それも気まぐれで降りて気まぐれに入ったコーヒーショップで。たしかまだ女子大生のはずだ。彼女とのエピソードを思い出して誰だか確定したいのだが、まるでわからない。
喫茶室は小さなテーブルが5つとカウンターの狭い部屋だった。
そのテーブル席が全部満員である。仕方なくカウンターにたって一服つけると、端に向かい合って座っている20代と思われる男女がいた。
女が話している。
「自分の体傷つけるなんて言ってるのなら、もう会っちゃだめだよ」
男はうつむいている。
「だってそうじゃない。そのうちあなたを殺して私も死ぬなんていうに決まってる」
「おいおい」
「そういうことがないわけじゃないんだから」
「そしたらそいつを殺すかもしれない。私を殺人犯にしないで」
室内の客は黙ってスマホをなでたりしているがその会話を全身耳にして聞いてるに決まっている。
勘弁してくれよ、と私は思った。そういう重い話はどこか他人が聞いていないところでやってくれないか。
「きついな」
「きついよ」
女は急に語調を変えた。
「お疲れさん。もういいかな」
男はしばらく黙ってた後で、どうやったらスマホが壊れるか、という話題を始めた。
コーヒーを飲み終えた私は狭いテーブルの間を抜けてトレーに灰皿とミルクとガムシロップの容器を片付け、慎重に片手でトレーを持ち自動ドアを開けた。飲み終えた容器を置くカウンターにトレーを置くと出口に向かう。
卒業生の女子大生はもうレジにいなかった。
駅前ロータリーでバスを探す。ちょうど発車寸前のバスに飛び乗ると、空いていたシルバーシートに座る。とたんに下の名前を思い出した。漢字二文字で愛の時が入っているきらきらネームだった。間違いない。と思う。相変わらずレジにたっていた感じのいい店員と私が知っていた高校時代の彼女とが同一人物だととても思えなかったが、やはりそれでも彼女に間違いない。
帰宅して、ペットホテル用に購入したクーラーの様子を聞く。
「使えないにいちゃんでさー」と妻は言った。
仕事のできない工事人で、古いクーラーを外す時、フロンガスをばらないたり、ホースを短めに切断して室外機につなげなくなり、ブロックをおいて無理矢理接続し、挙げ句の果ての余分な穴を開けてパテで埋めたりさんざんだったらしい。「安いから仕方ないか、と思って」
まあ、ともかく一日終わる。
轟沈しかない。
Posted at 21時32分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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