2006年06月08日(木)
蟻 [晩年]
今日の一句
黒雲の羽蟻もとめて蛙鳴く 浮浪雀
大学時代の友人Tが亡くなった。
奥さんが帰宅したら、冷たくなっていたという。
まったく急な事であった。
友人といってもそれはもう30年ほど前の事だ。
彼は日芸を卒業して、フリーランスの写真家だった。
私の結婚披露パーティの写真を撮ってくれた。
数年ほど前までは年賀状をのやりとりがあった。
そのうち音信がなくなった。
知らせてくれたのは
高校時代の友人Aである。
そのAとも1年ほど会っていなかった。
お通夜に行ってみると、
写真業界すじの方ばかりで
知っている顔はひとつもなかった。
これは場違いのところへ来てしまったか、
そう思った。
お焼香のあと、
お清めの席に行く。
やはり知った人は誰もいない。
黙ってつがれるままビールに少し口をつけた。
同席の人はそれぞれ知り合いらしく
控えめに談笑などしている。
私は黙ってビールを飲んだ。
まだまだ現役のTが亡くなったのが信じられない。
遺影はジージャンを着てネクタイをして
いかにも現場のカメラマンといった感じである。
それを見ると、やはり逝ってしまったのか、と思う。
自分を納得させるようにその写真を見る。
帰ろうとするご婦人を知っていた。
あとを追いかけて声をかけた。
彼女に会うのも30年ぶりかもしれない。
髪も年齢相応に白くなっている。
振り向いて少し笑顔を見せた。
若いときそのままに魅力的だった。
誰もいないから、帰ろうと思っていたのよ。
そういって、私の座っていた席に来た。
そこへ友人Aが遅れてやってきた。
甲府まで出張した帰りだという。
そこへ喪主の奥さんが来た。
やりたいことがいっぱいあっただろうに・・・
と顔を伏せる。
奥さんは私を憶えていた。
しばらく4人で立ちすくんでいた。
彼は私と同じ年のはずだ。
お前も若くないんだぞ!と
背中をどやされた気がする。
1時間ほどいて
それぞれ帰路についた。
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2006年04月16日(日)
2006年04月07日(金)
2006年04月05日(水)
山吹 [晩年]
今日の一句
山吹の生け垣遠くなりにけり 浮浪雀
朝出がけにガスを切ったかどうか気になった。
家を出てから5分ほど過ぎたところである。
このまま出勤しても大丈夫な気がする。
だがそのことはずっと気になるだろう。
電話で確かめてもいいが、
そのためにわざわざ家人を起こすまでもないだろう。
というか、その程度の事が気になっていることを
あまり知られたくない。
これはわずらっている人の心理である。
事実(ガスがついたままかもしれない)にくわえて、
それにまつわる心理的いざこざが面倒な事態になってくる。
そんな些細な事に気を取られてる自分を認めたくない。
それを人に(特に家人に)知られたくない。
と考えながらも時間はどんどん過ぎて行く。
もどって確認した。
ガスはきちんと止めてあったが
換気扇はついていた。
自分が何かを忘れた、
というよりも、日常的に行っている事を
きちんとやったかどうか確信がもてなくなっている。
やった記憶はあるが、それが今日のものだかわからない。
毎日朝晩サブリを飲んでいる。
毎日飲んでいるのは覚えている。
今日(さっき)飲んだかどうかがわからない。
この場合、思い出せないのではなく
覚えていない、のだ。
度忘れは、記憶があるのに出てこない。
これは記憶があるかどうかの記憶がない。
確認したので、気になることはなくなった。
いつもより1本遅れた電車に乗った。
それでも十分間に合う。
今日は会場準備。
自分の担当する教室の掃除をした。
ワックスも塗った。
会議、配布物の整理などして
明日することを確認して6時半すぎに終わる。
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