ぱーこシティ

記念撮影

今日の一句
薔薇園の写真指差しこれは誰！　浮浪雀

NPO関係
そろそろ片をつけなければならない。
マニュアル引き引き
なんとかそれらしい書類を書き上げる。
どこかにきっと間違いがあるかも知れないので、
一旦寝かすことにする。

スクリーン作成
と言ってもベニヤ板に壁紙を貼るだけのものだ。
安いからと買った垂木がねじれていた。
これをベニヤ板の長辺に打ち付けて補強しようと思っていた。
その位置に当ててみると、まるで役に立たない。
垂木がねじれていてベニヤ板にぴったり接着しないのだ。
よく見れば良かった。
一間の長さで221円である。
おかしいと思わなかったのがいけない。
欲に目がくらんだ、というヤツだ。
221円で「欲に眼が、、」かよ。
つましい限りだ。

計画変更して、長辺の両端に切断した垂木をつけてしのぐことにする。
ここに？の形をしたヒートンをつけて吊り下げようという案配。
なんとかそれらしいものが出来る。
さっそく試写してみると、かなりいい。
よしよし。

そして本日のメインイベントとなる。
太宰治賞贈呈式。
会場の如水会館は毎日新聞社の裏手にあたるビルである。
一橋大学の同窓会館。
学士会館よりモダンできれいだ。
重厚なホテルの結婚式場といった感じの会場である。
受付には出版社、マスコミ関係の名前がずらり並んでいる。
私は三鷹市民枠での招待である。

結婚式場のようなホールに300人はいたと思われる。
基本スーツ姿である。
ごく少数コンビニに行くような格好の人もいた。
私もネクタイこそ締めなかったが夏物のスーツで行った。
三鷹市民は参加者の1割程度である。
抽選であたったとすれば、やはり私は持っている人である。
なにしろ太宰の生まれかわりだ。

司会は筑摩書房の女子社員。
まず三鷹市長の挨拶。
そつないものだった。
太宰の暮らした三鷹市というのがキャッチコピーである。
やり手のおばさんという風貌の市長は、
今回の受賞者は昨年も最終選考に残っていた。
その時、来年も頑張ってくださいね、と挨拶したが、
それがなんと今年は受賞してしまった。
事実は小説より奇なり、ですね。
こんなことってあるんですね、と言った。
こういう人が太宰のことを持ち上げて話すのに違和感がある。
だって太宰、とんでもないヤツじゃないか。
女口説いて心中を繰り返すこと数回、最後に望み果たして入水自殺。
うまれてすみみません、だよ。ほんとに。

次に筑摩書房社長の挨拶。
これもそつないものだった。
昨年は銀行会館でやっていたんですが、
今年は工事中で出来ませんでした。
私どもはお金に縁がないんですね、と言って笑いをとっていた。
太宰治賞受賞作家の活躍に触れて、自社の宣伝も忘れなかった。

次が選考委員の作家先生のお話。
此の人が推薦したんだろう、なかなか一筋縄ではいかない作品で
作者の技術力、テーマの現代性などを褒めていた。
もう一人選考委員の先生のお話。
まず作者の名前が気にくわない。
次にこんなものは文学ではない、といった意味のことを言った。
文学全集で育った私の様なものの時代ではない、と思う。
太宰治賞は新しい時代に入った、と皮肉（だと思う）たっぷりに言っていた。
ラノベやゲームを題材にもう技術力だけで小説（らしきもの）が出来てしまう。
受賞者だけでなく、最近の作品はみなそうだ。
といいつつ、受賞者はの技術力は評価するとつけ加えた。
太宰なら「ワザ、ワザ」と突っ込むところであろう。

そして受賞者の挨拶。
三鷹市、筑摩書房、選考委員、会場に集まったみなさまに
感謝を述べた後、作品について短く触れた。
あらかじめかいた挨拶の原稿に時々、眼をやりながら。
最後に漱石の道草を引用して、今後の自分の作品に対する決意を語った。
これもそつない挨拶だった。
営業力のあるつるんとした長身のイケメン。
ライター稼業で身につけた対人交渉能力がうかがえた。

2番目の審査委員がいちばん作家らしかったし、いい挨拶だった。

最後に金屏風の前で
筑摩書房社長　選考委員×２　受賞者　選考委員×２　三鷹市長
とならんで記念撮影をした。

インチキ野郎の饗宴だよ。
おマエたち、見てろよ。
来年はこの私が度肝を抜いてやるからな。
私はコップ半分のビールで酔い
はやくもゾンビと化していた。

受賞式は50分程度で終わり、
あとはご歓談の時間となった。
立食パーティ形式の会場は大混雑していて、
みな名刺交換や出版業務の話をしていた。

私はすばやくオードブルの皿を取り
ビーフステーキ、メロン、サラダ、など
山乗りとって食べ始めた。
最後はカレーライスで締めて、そそくさと会場を後にした。
退出は一番早かったようだ。

ビールが覚めてくると
先ほどの高揚感がアワのように消えていった。

お土産にもらった太宰治賞2017に掲載されている
受賞作品を読んだ。
すらすら読めるけど軽い。
確かに文章力はある。
しかし自伝シリーズの方が上だろう。
だが自伝シリーズは小説じゃない。

新たに何か書いてやるか。