2018年03月08日(木)
三月 [日記]
今日の一句
悩み多き三月途方に暮れる 浮浪雀
夜中に湯浅の
「夜明けを告げるルーの歌」
★4つ
技術的には湯浅ワールドが炸裂していて文句の付け所がない。
話が★3つ キャラクターも★3つ
背景美術はジブリがいいが、アニメ自体は方向は違うけど互角だろう。
人魚の話だが、ポニョだよね、コレ。
これで湯浅を3つ見たけど、
マインド・ゲーム<夜明けを告げるルーの歌<命短し歩けよ乙女
というのが私の好みの評価。
雨の降る中北参道。
google mapで住所打ち込んで、自分のいるところと行き先の表示を見ながら
目的地を目指したが、到着できない。最新のgoogle mapは、勝手に拡大してぐるぐる回るのでどう歩いたら良いのか、方向がわからない。
結局セミナーが始まる時間になってしまったので、電話して受付嬢に来てもらうことになった。相手が「駅の出口まで行くので待っていてください」というのだ。
サービスしすぎだろう。これは怪しい。ようするに相手は私をいいカモだと思っているのではないか。そうでなければ、わざわざ出てくる訳はない。
受付嬢は知的な良い感じの人で「こちらです」といって私の先に立って歩き始めた。3分といかないうちについた。入り口の脇にカードリーダーがあり、カードを縦に通すとスライド式のドアが開いた。ドアはアルミ製の不透明なもので中が見えない。中に入ると20~30代の女性社員がうろうろしていた。みなさりげなく出来る感をただよわせている。地下に案内された部屋は2人掛けの長机が横に3列、縦に4列ほどの小部屋で受講生は9人いた。女性は30代40代60代、男性は30代、60代などの感じだった。講師は40代でパソコンを前に立ち話していた。白板にはスライドが映っている。パワーポイントというよりテキストだけのメモでそのテーマで自由に話していた。
自分史の書き方、というテーマだが話の内容は殆ど知っている事だった。この手の自分史講座は最近あちこちでやっている。朝日新聞、新潮社、など出版関係の業者さんが本が売れないので、それなら小金を持っている定年世代を相手に「自分を振り返りませんか」「作家と同じ本になります」「書店にならびます」「装幀もきれいです」「プロの編集者(あるいは記者)が懇切丁寧にアドバイスします」などと甘い言葉で誘っている。小説の文学賞などは、賞金が100万円〜300万円といったものが標準だが、こちらも同じ程度の金額である。ただしこの自分史講座はこちらが支払うのである。初版1000部の時の相場がこれだ。原稿持ち込みから出版まで6ヶ月程度かかる。こうした客を3〜4人抱えれば十分ペイできるのではないか。受付嬢が迎えに来るはずだ。
私がセミナーに申し込むと先方から電話があった。相談会をしますから来ませんか、ぱーこさんの部屋を用意してお待ちします、というのである。私が自伝シリーズのサイトを教えると、読ませて頂きます、とのお言葉である。私はこのとき、自分は話を聞いてもらいたがっていると思った。自分の人生の話をそのまま聞いてもらいたい、文句をつけずに受け取ってもらいたい、と強く願っている自分に気がついて驚いた。しかし、金にならない話を聞くほど相手はヒマなのか、それとも10人話を聞いて一人物になればなり立つビジネスモデルなのか、どっちなんだ。多分後者である。そうして私の願いは商売抜きで話を聞いてくれないか。そのぐらいの自分の話には価値があるんだ(と思いたい)。
セミナーが終わって私の担当者が来て、今度は別のビルに案内され、個人塾みたいについたてで仕切られた小部屋が沢山ある(これって漫画喫茶みたいだ)ところに案内されそこで20分ほど話した。相手は、なかなか面白いのでテーマを絞って本にしてみませんか、と言った。私が考えていることを言うと、うちは高いんです、と必要な金額の紙を見せた。私は金はありません。あればお願いするんですが、と言った。これでもう話は終わっている、と感じた。相手は著名作家と同じ装幀ができること、S社とは違って編集者が一緒に考えて本を作ること、など型通りのことを話し、私は帰り支度をしてビルを出た。
私はこのサイトの自伝シリーズはプロの編集者にとってはどの程度の物なのか知りたかった。相手は自伝シリーズの目次は印刷していたが、中身は読んでいないようだった。だから「なかなか面白い。社会的にも意味あるものと思います」という言葉を額面通り受け取るわけにはいかなかった。かといって、あまりにもひどくてとても相手にならない、とも思っていないことはわかった。相手の反応に営業上の誠実さ以上のものはなかった。弁護士が社会的な正義の担い手である、とだけいうのが間違いであるのと同様に出版業界が文化の担い手である、と判断するのも間違いである。いずれも金の絡んだ営業の要素が必ずある。金が絡むことが嫌なのではない。労力に対する妥当な等価交換なら金額は高くてもかまわない。不当にぼったくられるのが嫌なのだ。そして世の中の必要経費は私にとって不当に高いものばかりだと感じてしまう。
私の判断は、自叙伝の自主出版をこの手の出版社に依頼するのは間違いである、というものだった。他人が読みたいものを書いて文学賞を取るか、たとえばhatenaのようなサイトに自分の書きたいように書いて、読みたい人が読む形 にするのか、そのどちらかの方向(あるいは両方)がいいとの感触を得た。
時間があうので「The shape of water] ★3つ
今年のアカデミー作品賞・監督賞の映画だが、心情不可解の映画だった。
Posted at 20時11分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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